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絵:ブラックホール
星座☆宇宙 博物館
より抜粋)


空間と重力<一般相対性理論の世界像>
第一回:ブラックホールのイメージ
 みんなは、ブラックホールと聞くとどんなイメージが湧きますか?たぶん、星の本とかを読んでいる人なら
物質から光まで、何でも飲み込んでしまう天体。そんなイメージ湧かれる方が多いのでは?
しかし、このイメージ間違ってはいませんが、ブラックホールとは、それだけの存在ではなさそうなのです。
 もう一つの我々が持っているブラックホールのイメージに星の最終段階、または、星の成れの果ての姿
と言うイメージがあります。厳密に言うと、全ての星の成れの果てではなく、質量の大きい星の成れの果て
の姿なのですが、知っている人もいるかな?
 数字で言うと、太陽の質量の30倍以上! 太陽の質量は、1.989×(10の30乗)キログラム。地球
の質量が、5.974×(10の24乗)キログラムで、およそ太陽の30万分の1だから、地球の1000万倍
以上の重さの星が、ブラックホールになる可能性を持っている事になるのです。
 この話だけでもとてつもない質量だと思いますが、なんと太陽の260万倍の質量を持ったブラックホール
があるそうです。これを地球の質量の何倍かを計算すると・・・・とにかく計算するのが大変なくらいすごい
質量なのです。
 と言うことは、そんな大きな質量の星があったのか?と思いますが、実際には、太陽の1万倍以上の星は
存在しないそうです。まず、星になる前に重力崩壊を起こしてしまうらしいです。
(重力崩壊については、このシリーズでそのうち説明いたします。)
 では、どうやったらそんな大きなブラックホールが出来るのでしょうか?そのような巨大ブラックホールは
銀河中心に集中する大量な星が衝突しあい、全体がそのままブラックホールになったから、そんなに大き
いのだと言う説もあるそうです。
 だから、ブラックホールは大きな星の成れの果て、というイメージも決して間違いではないのですが、どう
やら、ブラックホールは、それだけの存在ではなさそうなのです。
第二回:重力が鍵?
 前回の内容で、ブラックホールのイメージが、色々あることが解ったと思います。また、ブラックホールは
我々のイメージでは、おさまらない存在になってきました。 では、ブラックホールとは、どんな存在なので
しょうか?
 ブラックホールは、モノはおろか、光までなんでも吸い込み、決して外へは逃がさない存在。そして、
ブラックホールは、質量の大きな星の成れの果てでもあります。
 そこで、これらのことから一つのキーワードが浮かんできます。それは、「重力」です。ブラックホールの
何でも吸い込む力は、この地球でも感じ取れる力、重力によるものです。そして、そのブラックホールは、
質量が大きい、すなわち重力も大きい星の成れの果てなのです。(重力は、質量の大きさに比例します。)
 つまり、ブラックホールとは、重力がものすごく強く働く、物質はおろか、光までも外にでられなくなる天体
と言うことになります。
 ブラックホールという奇妙な天体の背後に、重力と言うモノが潜んでいたのです。では、この重力と言う、
我々が日常、当たり前の様に感じる力は、いったいどんな力なのでしょうか?
 これが、実は、物理学の世界では、現在でも大きな問題なのです。もちろん、重力について、現代の科学
では、かなりのことが解っています。ですから、アポロ宇宙船(ロケット)を打ち上げて、月まで行って帰って
くる事も出来るのです。しかし、まだ、完全に解明されたわけではありません。そして、ブラックホールと言う
奇妙な天体が、なぜ新聞にまで取り上げられるのか、その理由の一つに、ブラックホールを研究すること
が、天文学として重要なだけでなく、重力の謎の解明につながるかもしれないからなのです。
第三回:ブラックホールは、理論が先?観測が先?
 ブラックホールは、理論先行型か?
 実は、ブラックホールという奇妙な天体は、観測によって発見された存在ではありません。初めにある理
論によって、そう言う奇妙な空間の存在が予言され、後に質量の大きな星の最後の姿として、そのような
状況になる可能性が指摘され、更にその後、観測によってほぼその存在が確実視されると言う経緯を
たどった天体なのです。
 普通、科学の世界では、新しい現象が発見され、そこに理論が生まれると言うのが一般的です。例えば、
チャールズ・ダーウィンの進化論がそうです。ガラパゴス諸島の奇妙な動物たちを発見したダーウィンが、
進化論と言う理論を生み出しました。
 ところが、ブラックホールは、この逆です。理論が先にありました。そして、その理論が指し示す実体は、
とてつもなく奇妙なモノだったのです。その為、その理論を作った人間ですら(後々書いていきますが、
かの有名なアルバート・アインシュタイン博士です。)、そのような奇妙な空間は現実には現れるはずが
ないと考えたくらいだったのです。
 しかし、そのブラックホールのようなものを世界で一番最初に思いついた人間がいます。これは、ブラック
ホールを示唆する理論(これもおいおい書きますが、一般相対理論の事です)が生まれる前の話です。
では、どんな考え方をもとに、そのブラックホールを想像したのでしょうか?それは、ニュートンの万有引力
と言う考え方です。
 重力のことを万有引力とも言います。それを理論化したのが、有名なアイザック・ニュートンと言う、17〜
18世紀のイギリスの科学者なのです。あのリンゴが地面に落ちた現象を見て、この理論を考え出した、
有名な学者さんです。
第四回:万有引力(=重力)とは、どんな力?
 ニュートンのアイディア!
 ニュートンは、リンゴが落ちるのを見て、万有引力の法則を思いついたと言う伝説があります。リンゴは、
地上に落ちてくるのに、月は何故落ちてこないのかと言う疑問を持ったことに端を発するそうです。
 当時、星(太陽系の惑星)の運動については、ドイツのヨハネス・ケプラーと言う16世紀〜17世紀の学者
が法則を見いだしていて、それが、ケプラーの3法則で、@惑星は太陽を焦点とする楕円軌道を描き、
A太陽と惑星を結ぶ直線は一定時間に同じ面積を掃き、B惑星の公転周期の2乗は太陽からの平均距離
の3乗に比例する、と言うものです。
 一方、リンゴだけではなく、地球上ではモノは上から下へ落ちます。この「モノが落ちる現象」は、初め
ギリシャのアリストテレスによって「重いモノほど早く落ちる」と法則化され、これは我々の感覚に合っていま
した。ところが、16世紀〜17世紀のイタリアの学者、ガリレオ・ガリレイは「落ちるモノは、空気などの抵抗
がなければ、重さが違っていても、すべて同じように落ちる」と主張しました。ピサの斜塔でのその実験は、
有名な話ですね。
 しかし、これらの惑星の運動と地上のモノの運動が、共通の捉え方で見られることはありませんでした。
ところが、それらを動かす力が万有引力という一つの力によると考えたのがニュートンだったのです。
 ニュートンの考えをまとめると、次のようになります。万有引力はあらゆる物体の間に働きます。そして、
その強さは、物体の質量に比例し、物体からの距離の2乗に反比例して減少します。そして、この力があら
ゆる方向へ、瞬時に伝わります。そう言う力がこの世界には存在し、この力によって、惑星は運行し、地上
のモノは下に落下すると言うものなのです。
 ニュートンは、すごい事を発見した人なのです。ただのリンゴ落ちたから万有引力を発見したおじさんで
は、なかったのです。
第五回:地球に向かって落ちる月?
 ボールも速く投げれば月になる?
 惑星の場合、太陽とその惑星との間に万有引力が働いてます。地上のモノの場合は、そのモノと地球と
の間に働きます。この働く力が同じだとしたのがニュートンの慧眼(けいがん)なのです。
(慧眼:物事の本質を見
抜く鋭い眼力のこと)

 どうして、地上のモノを落下させる力と惑星を回転させる力が同じなのでしょうか。地球のまわりを回る月
を例に考えてみますと、太陽のまわりを回る惑星に働く力と、地球のまわりを回る月に働く力が同じだと言う
事は想像できると思います。
 ニュートンは、ある時、リンゴが落下するのを見て、顔をあげるとそこに月が出ていたといいます。そして、
「そうだ!月も地球に向かって落ちているんだ!!」と考えたのかも知れませんね。
 実際、月は地球に向かって落下しています。「物体は、力が働かないと、まっすぐに進む」と言うのが、
ニュートン力学の主張するところであり、だから、ある瞬間に地球から見て横方向に進む月は地球の方に
引っ張られ、”落下”しないとどんどん離れていってしまうと考えたのです。つまり、月は地球に落下しなが
ら、一定の距離を保って地球のまわりを回転していると考えたのです。そう考えると、地上でモノが落ちる
時に働く力と、月を引っ張っている力が同じというのも解ります。
 地上でモノを真横に投げる時は、初めの速度が遅いと放物線を描いて地面に落下します。だんだんスピ
ードを上げると、より遠くまで飛びます。そして、もっと速くすると(空気抵抗がなければ)、地球をぐるぐる回
るようになります。それが、月だというわけなのです。
 このニュートンの万有引力の法則と、当時、まだ結論はでていなかったのですが、光粒子説の考え方か
ら、ブラックホールのような暗黒の見えない天体と言うモノを考え出した人間が実はいるのです。
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参考図書:図解雑学シリーズ
「ブラックホール」
(ナツメ社  早稲田大学 前田恵一 = 監修)